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2017.09.13 (Wed)

鑑定やテイスティングで思うこと

前回の記事で、「全国茶審査技術競技会」について触れました

茶の審査技術を競う大会を見たのは初めてなのでとても刺激を受けましたが、
「鑑定・テイスティング」という点でワインと比較すると少し考えさせられることもありました

こういった「鑑定の技術」・「目利きの力」を測る目的は
本質を見極め、仕上げ、消費者に提供する、
つまり日常業務に活かすことだと思います。

そういう意味では、出題もその力量が素直に測れるものが出題されるべきです

例えば、ソムリエのテイスティングの試験では、品種や産地を問われるものが多いです

それには、だいたい1本3,000円前後のワインで、品種の特長がとりやすいものが出題されると言われています
1本1,000円や1本10,000円など、ばらつきがあると、そもそも比べにくくなりますし、
そもそも品種の個性を素直に表現されているとは言い切れていないように感じます

そして、もし出題したワインが不良であった場合は、
問題を不成立とし、全員に加点されていることが多いようです

8月上旬に八女で行われた、品評会出品茶の下見会では、
まだまだひよっこの私でも、品種の差は一口で分かりました
ハイクラスのお茶ばかりなので、特に素直にお茶の本来の姿が引き出されていたのだとも思いますが。

そういう意味では、素直に・上手く作った場合、
お茶は、もしかしたらワインよりも品種の特長がとりやすく、
コンテストの出題茶として面白くないのかもしれません

でも、それでも出題するお茶の摘期は揃えて、一定の品質のものを出題するべきで
難易度を上げたいなら、少しマニアックな品種や迷いやすい品種を選ぶ方が良いのではないかと思います

摘期を逃して、水色が赤く・苦味の強いサエミドリを、「サエミドリ」と回答させる問題よりも
適正な摘期で、水色が鮮やかな翠で、柔らかなうま味と甘味を感じるサエミドリを「サエミドリ」と回答させる問題の方が
遥かに競技会の目的にかなっているような気がしました

そんなこんなで、鑑定やテイスティングは、問題を出題する側の力量が問われるものでもあるなーと感じた大会でございました
13:56  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2017.09.05 (Tue)

テイスティングコメントのあるある

8月に入ってから、ずっと
お茶やワインやコーヒーの鑑定会や試飲会が続いています

ワインやコーヒーは、異業種といえども嗜好品飲料ですので
自己研鑽の為にお勉強させて頂いておりますし
彼らにお茶をテイスティングして頂くことで、
自分のお茶の表現や世界観を広げていきたいという思いもあります

他の方の表現を聞く中で
お茶を表現する言葉として「ブドウ」という言葉や
ワインを表現する言葉として「お茶」「紅茶」「コーヒー」という言葉を
使って表現される方がいらっしゃいます

私のテイスティング法は、最初にワインから入っていて、一種体に染みついているので
飲料を表現する際に、「ブドウ」という言葉は最も思い浮かばないワードの一つです

なぜなら、ブドウから出来ているワインがブドウっぽいのは当たり前で
ワインを表現する際に「美味しいブドウの香りがします」というのは、
笑いを獲りに行っているとしか思えない発言だからです

なので、茶を表現する際に「ブドウ」という言葉を聞くと
なんか「気づかされた」気分になります

ただ、今までワインを表現する際に使っていた「紅茶」「コーヒー」などは
「紅茶」や「コーヒー」を学んでいくうちに、
「紅茶もダージリンとかアッサムとかいろいろあるよね?」とか
「コーヒーも焙煎や産地でいろいろあるよね?」とか
思うようになりました

学んでるんだか、こじらせてるんだか・・・(笑)
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15:52  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2017.08.23 (Wed)

毎年恒例?の日帰りワイナリー研修

園主がソムリエールということもあり
お世話になっているワインショップさんの
ワイナリー研修旅行に同行させていただいています。

今年は、山梨・勝沼のワイナリーさんへ。

例年は「ドメーヌ」と呼びたくなる、生産者さんをメインに訪問し
ディープなお話をお伺いすることが多いのですが、
今回は大手ワイナリーさんも含め2件のワイナリーさんにお伺いしました。

感想としては「とても面白くて勉強になりました」

歴史ある大手ワイナリーさんは大手ワイナリーさんなりの
地元に根差した役割があるんだなーと実感しました。
その役割とは、安定した品質のワインを作り続けることはもちろん
マニアックではなく、広く・楽しく甲州ワインを伝え親しんでもらう役割かな?と。

そして、毎年のようにお伺いしているもう一軒のワイナリーさんは
その土地とその品種を活かした、良いものを追及するまっすぐな熱意を感じました。

日本ワインの生産地は、「六次産業」としてのお話も勉強になりますが
その土地ならではの「産地活性」という点でも、大変刺激を受けます。

ご関係者の皆さま ありがとうございました

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17:35  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2017.08.21 (Mon)

日本ワインの「ブーム」についての徒然

ここ数年、緑茶も紅茶も含めて、日本茶全体がメディアに取り上げられる回数が増えたように思います。
同じように、メディアで見かける機会が増えていると思うのが「日本ワイン」です。

日本国内で「日本でつくられたワイン・国産ワイン」として販売されているものの中には
海外から「濃縮還元されたブドウジュース」を輸入し、国内で醸造しワインに仕上げたものも多く見かけます。
ソムリエールの立場としては、それって国際的には「まっとうなワイン」とは呼ばないよね?とも思ってしまいます。

だた最近ではブドウの栽培から醸造まで、一貫して日本国内で行う生産者も増え
そういったワインは「日本ワイン」(「日本ワイン」と「国産ワイン」は定義が違います)と認定され、
日本国内の本格派ワインとして人気を博しており
ワイン用ブドウの栽培も追いつかないくらいです。

一般的・メディア的には「日本ワイン」がブームになり
嬉しい・良かった・日本は元気!だと思います。
ただ製造や流通など実務に近い人ほど、慎重で見極めが必要という意見も耳にします。

小売りや飲食店の需要に応える為には、醸造設備や畑の拡張などの莫大な投資が必要です。
しかも、その投資の成果が見えるのは数年後。
最近では、産業を育成するために自治体が補助金を出すところもあるものの
もし、その時ブームが終わっていたら・・・と思うと慎重にならざるを得ないのも納得。

ブームで終わらないように、努力すれば良い話なのでしょうが
それには、生産サイドの「質の高いものを安定して作る」という命題の他にも課題があり
「ステークホルダーがきちんと利益を得られる日本的な流通の仕組み作り」があると思います。

小売店の例で言えば・・・

今まで輸入ワインをメインで取り扱っていた小売店の場合、
海外から輸入する際の手数料や為替レートなどを付加した
値付けのノウハウが業界内である程度確立されています。
消費者も、それは承知の上で購入している(と思います)。

でも、日本ワインの場合は生産者が直接小売りを行える環境にあります。
小売店に生産者が卸値で提供したとしても、
小売店側がきちんと利益がとれる値付けをすると
生産者直販の場合と比べると割高になってしまうことが多いので
利益を縮小して敢えて生産者直販価格に合わせる小売店を見かけます。

「良いものだから広く知って・愛されてほしい」という思いがあっても
生産者や流通サイドがちょっとずつ無理をして販売をするスタイルが
10年・20年と莫大な投資を回収できるほど長続きするとは到底思えません。

商品の価格を上げる・原価率を下げるなど、「適正な流通」を考慮に入れた取り組みは
生産者だけでなくおそらく業界全体で考えなければならないことだと思います。
「ブーム」と言われている今が良い機会なのかもしれません。

こんなに長い文章を書いた理由は、
日本の紅茶にも似たような事例があることと
明後日、日本ワインの生産者さんへ研修に伺うので考えを整理したかったからです(笑)

14:55  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2016.12.28 (Wed)

「お茶もワインのように楽しめるようにしたい」について思うこと その2

前回は、
「お茶もワインのように楽しめるようにしたい」と思うのであれば
ワインがどのようにして今の地位を築いたか、
特に、行政や流通、マーケティング関係で携わる人にとって
歴史や制度からアプローチすると面白いと思います
というようなことを書きました。

今回は余談・・・というか自分が目指したいものについて書きます

ワインでもフランス・ブルゴーニュ地方は
単一農家(一族経営)で単一品種が主流です。
その為、その年のブドウの出来次第で味がガラリと変わることもあり、
それがヴィンテージの違いとして楽しまれていることも多いです。

単一農家(一族経営)で品種ごとのお茶を作ると言う形態は
当園のような、自園・自製・自販のお茶農家に似ていると思います。
しかし「生産年による味の差」を「楽しみ」として捉えられることは、
お茶の世界にはあまりないように思います。

しかし、ワイン業界で「ヴィンテージの違いを楽しむ」風潮が出来始めたのも、
実は1970年代以降とのことのようで、実は歴史が思ったよりも浅いと思いました。

それまでの(今でも?)主流はボルドーワインにみられように
ブレンドされた「一定の品質のワイン」が「シャトーマルゴー1982年」というように
「会社名(ブランド名)+ヴィンテージ」と言う名前で一定のまとまった量が流通することが多いです。

シャンパーニュやシェリーは異なるヴィンテージをブレンドすることが多いのですが
考え方の根底にあるのはボルドーワインと同じく
「一定の品質」を「大量に」変わることなく、消費国であるイギリスへ流通させることで
信頼を築き、ブランドとしての価値を高めて行った経緯があります。

「安定感」がブランド作りの根底にあるワインが多い中
「ヴィンテージ」「畑」など細分化し不安定な要素が「価値」になる
ブルゴーニュワインは結構珍しい成功例だと、個人的には思います。

因みに、ブルゴーニュの単一農園が作るものは
「◎◎さんのブルゴーニュ△△村の1982年」というように
個人名(もしくは苗字)と畑の場所をラベルに書いて出荷することが多いので
「職人感」が増しているように思います。
また、「畑の場所」を表記することに「意味がある」くらい、地質によって味わいが異なります。

「会社・組織」が作るものであれば、品質が一定のものを求めてしまうけど
「職人」が作るものではれば、一点ものなので味に違いがでてくるのも仕方ない(むしろそれが楽しい)
というような捉え方で迎えられているように感じます。

当園は、市場でお茶を仕入れて・仕上げるような、決して大きなお茶屋さんではありません。
どちらかというと、市場にお茶を卸しつつ、自分達でも直販するという自園・自製・自販の茶園です。

だからこそ、自分達でご紹介するお茶は、ある一定の品質に保つのはもちろん
大量ではないけれど、ちょっとした「品種」「年」の違いを楽しんで頂けるような、
そんなお茶の魅力的なお茶にしたいと思っております。

ワインは約40年かかって、ヴィンテージの違いを楽しむ文化が日本にも定着しました。
さて、お茶は何年かかるかしら(笑)
10:55  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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