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2017.08.21 (Mon)

日本ワインの「ブーム」についての徒然

ここ数年、緑茶も紅茶も含めて、日本茶全体がメディアに取り上げられる回数が増えたように思います。
同じように、メディアで見かける機会が増えていると思うのが「日本ワイン」です。

日本国内で「日本でつくられたワイン・国産ワイン」として販売されているものの中には
海外から「濃縮還元されたブドウジュース」を輸入し、国内で醸造しワインに仕上げたものも多く見かけます。
ソムリエールの立場としては、それって国際的には「まっとうなワイン」とは呼ばないよね?とも思ってしまいます。

だた最近ではブドウの栽培から醸造まで、一貫して日本国内で行う生産者も増え
そういったワインは「日本ワイン」(「日本ワイン」と「国産ワイン」は定義が違います)と認定され、
日本国内の本格派ワインとして人気を博しており
ワイン用ブドウの栽培も追いつかないくらいです。

一般的・メディア的には「日本ワイン」がブームになり
嬉しい・良かった・日本は元気!だと思います。
ただ製造や流通など実務に近い人ほど、慎重で見極めが必要という意見も耳にします。

小売りや飲食店の需要に応える為には、醸造設備や畑の拡張などの莫大な投資が必要です。
しかも、その投資の成果が見えるのは数年後。
最近では、産業を育成するために自治体が補助金を出すところもあるものの
もし、その時ブームが終わっていたら・・・と思うと慎重にならざるを得ないのも納得。

ブームで終わらないように、努力すれば良い話なのでしょうが
それには、生産サイドの「質の高いものを安定して作る」という命題の他にも課題があり
「ステークホルダーがきちんと利益を得られる日本的な流通の仕組み作り」があると思います。

小売店の例で言えば・・・

今まで輸入ワインをメインで取り扱っていた小売店の場合、
海外から輸入する際の手数料や為替レートなどを付加した
値付けのノウハウが業界内である程度確立されています。
消費者も、それは承知の上で購入している(と思います)。

でも、日本ワインの場合は生産者が直接小売りを行える環境にあります。
小売店に生産者が卸値で提供したとしても、
小売店側がきちんと利益がとれる値付けをすると
生産者直販の場合と比べると割高になってしまうことが多いので
利益を縮小して敢えて生産者直販価格に合わせる小売店を見かけます。

「良いものだから広く知って・愛されてほしい」という思いがあっても
生産者や流通サイドがちょっとずつ無理をして販売をするスタイルが
10年・20年と莫大な投資を回収できるほど長続きするとは到底思えません。

商品の価格を上げる・原価率を下げるなど、「適正な流通」を考慮に入れた取り組みは
生産者だけでなくおそらく業界全体で考えなければならないことだと思います。
「ブーム」と言われている今が良い機会なのかもしれません。

こんなに長い文章を書いた理由は、
日本の紅茶にも似たような事例があることと
明後日、日本ワインの生産者さんへ研修に伺うので考えを整理したかったからです(笑)

14:55  |  お茶とワイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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